当社の提唱するDXとは?

中小企業のDXは「ツール選び」から始めない。Googleを事業基盤にするという考え方
「DXを進めたい」
そう考えたとき、多くの会社が最初にやるのが「ツール探し」です。
顧客管理ならCRM。営業管理ならSFA。勤怠なら勤怠管理システム。社内申請ならワークフロー。情報共有ならチャットツール。ファイル管理ならクラウドストレージ。
当社もいくつものツールを契約してきました。
どうしたらもっと現場が簡単に報告できるか。
どうしたらもっと効率的に業務を進められるか。
課題が見つかるたびに、それを解決してくれそうなSaaSを探して導入する。
一見すると、正しいDXの進め方に見えます。
でもそれが大きな失敗でした。
DXした結果、システムが増えていく
確かにSaaSは非常に便利です。
申し込めばすぐ使えて、アップデートもされ、専門的な機能も揃っています。
問題は「一つひとつのSaaSが悪い」ことではありません。
会社全体を設計せず、課題ごとにSaaSを追加していくことです。
営業はこのシステム。顧客情報はここ。ファイルはここ。勤怠はここ。申請はここ。コミュニケーションはここ。
気が付けば社員は、いくつものIDとパスワードを持ち、複数の管理画面を行き来することになります。
そして、それぞれのシステムに情報が分散していきます。
DXによって仕事をシンプルにしたかったはずなのに、
システムを管理するための仕事が増えてしまう。
中小企業では、特にこの問題が起こりやすいと考えています。
当社も、気づけばいくつものSaaSを契約し、便利になった気でいました。
毎月のSaaS代はどんどんとかかっていくのに、一向に効率化されていない。
SaaSが増えれば増えるほど、デジタル摩擦が発生し、実は多くの無駄が発生します。
あの会社はSlackで通知が来て、この顧問はChatworkで連絡し、この会社はメールしか受け付けない。
コミュニケーションツールに振り回されるこの時間は一体なんなんだろうと。
まず自分の会社の「会社のデジタル基盤」を決める
私たちが重要だと考えているのは、
個別のシステムを選ぶ前に、会社全体のデジタル基盤を決めることです。
相手によってSaaSやシステムに振り回されないように、自分の会社の基盤をしっかり定める。
これ非常に重要なDXの第一歩です。
その基盤として非常に相性が良いと考えているのが、私達はGoogle Workspaceです。
Gmail。
Google Drive。
Google Calendar。
Google Meet。
Google Chat。
Google Docs。
Google Sheets。
Google Forms。
Google Sites。
そしてApps ScriptやAppSheet。
普段何気なく使っているサービスですが、これらを単独のツールとして見るのではなく、
「会社を動かすための一つの基盤」として考えます。
ビジネスをするうえで全くGoogleサービスを使っていないという人はほとんどいないのではと考えています。
取引先からスプレッドシートを共有されたり、オンライン会議でMeetが飛んできたり。
カレンダーを使っていたり。
Googleでできることは、Googleでやる
ここで大切なのは、何でも自社開発することではありません。
私たちの基本的な考え方はシンプルです。
GoogleでできることはGoogleでやる。
Googleだけでは足りないところを開発する。
専門サービスを使った方が合理的な領域ではSaaSを使う。
この順番です。
例えば、簡単な営業管理をしたい会社があったとします。
必要なのが、
顧客情報、担当営業、商談履歴、案件ステータス、見込金額、次回アクション。
この程度であれば、大規模なCRMを導入しなくてもいいケースが非常に多いです。
Google Sheetsをデータ管理の基盤にして、Google FormsやWebアプリから入力。
Apps Scriptで処理を自動化する。
商談予定はCalendarへ。
見積書はDocsから自動生成してPDF化。
完成したファイルはDriveへ保存。
担当者への連絡はChatへ。
顧客への連絡はGmailから送る。
こうすると、社員が普段使っているGoogle Workspaceの中で一連の仕事を完結させることができます。
「システムに業務を合わせる」から「業務にシステムを合わせる」へ
既製のシステムには、多くの機能があります。
それ自体は素晴らしいことです。
しかし、50人の会社と5,000人の会社では必要な機能が違います。
営業担当3人の会社と、営業担当300人の会社でも違います。
にもかかわらず、既製システムを導入すると、
「この項目を入力してください」
「このフローで承認してください」
「この画面から操作してください」
と、システム側の考え方に会社を合わせる場面が出てきます。
DXが必要な中小企業にとって、有名なSaaSはオーバースペックなものが多いと考えています。
私たちは逆から考えます。
まず経営があります。
次に組織があります。
その下に業務があります。
業務の中に、人と情報の流れがあります。
その流れを理解したうえで、
「どこをデジタル化すれば、この会社はもっと強くなるのか?」
を考える。
必要なシステムを考えるのは、その後です。
DXの最初の仕事は「業務を理解すること」
だからDX支援で最初にやるべきことは、システム開発ではありません。
現在の仕事を理解することです。
問い合わせが来たら、誰が受けるのか。
どこに記録するのか。
誰が担当者を決めるのか。
商談内容はどこに残るのか。
見積書は誰が作るのか。
契約書はどこに保存されるのか。
売上になったことを誰が確認するのか。
経営者はどうやってその数字を見るのか。
一つずつ追いかけていくと、
「同じ情報を3回入力している」
「Excelが担当者ごとに存在している」
「この数字は○○さんしか分からない」
「ファイルが個人のパソコンにある」
「毎週、人間が集計している」
といった問題が見えてきます。
これがDXのスタート地点です。
人間がやらなくていい仕事を、システムに渡す
業務を整理したら、人間とシステムの役割を分けます。
人間には、
顧客と話すこと。
考えること。
判断すること。
提案すること。
交渉すること。
意思決定すること。
をやってもらう。
一方で、
転記する。
保存する。
集計する。
通知する。
ファイルを作る。
予定を登録する。
定型メールを送る。
こうした仕事は、できる限りシステムに任せる。
これが業務のデジタル化だと考えています。
本当に重要なのは「情報がつながること」
そして、もう一つ重要なのがデータです。
顧客情報。
営業情報。
契約情報。
社員情報。
売上情報。
スケジュール。
会議資料。
マニュアル。
会社には毎日、大量の情報が生まれています。
ところが、その情報がLINE、メール、紙、Excel、個人PC、複数のSaaSなどに分散してしまうと、会社として活用できません。
「あの資料どこ?」
「最新のファイルどれ?」
「このお客さん、前回誰が対応した?」
という会話が日常的に発生します。
だから、DXで本当に作りたいものは「便利なツール」ではありません。
会社の情報が自然につながる環境です。
私たちは、その環境を「組織OS」と考えています。
Google Workspaceを「組織OS」にする
パソコンにはOSがあります。
OSの上で、さまざまなアプリケーションが動きます。
会社も同じように考えることができます。
Googleアカウントという共通IDがある。
Driveという共通の情報保存領域がある。
Gmail、Calendar、Chatというコミュニケーション基盤がある。
Sheetsなどに業務データが蓄積される。
Apps Scriptがそれらをつなぎ、自動的に処理する。
必要なら、その上に会社独自のWebアプリを作る。
さらに専門性の高い領域だけ、外部SaaSと連携する。
つまり、Google Workspaceを中心に、会社に必要な機能を組み合わせていく。
これが私たちの考える「組織OS」です。
私達がGoogleをここまで推奨する理由は、
①仕事をする上でなにかGoogleサービスに触れている。
②世界水準のセキュリティ環境が社員1人から使える。
③Geminiが搭載され、AI環境も構築されている為AIの入口として最適。
④あらゆるログイン認証でGoogleアカウントを要求される。
一つでもIDパスワードを減らす事もセキュリティ向上のおおきなポイントです。
中小企業にとってGoogleWorkspaceのライセンスで多くのSaaSを代用できるコスパの良さと管理の手軽さです。
当社では、AI化に向けて2025年に全社で一斉に切り替え、ほとんどのSaaS契約を解約しました。
この土台が、AI時代にはさらに重要になる
そして、この考え方はAIの普及によって、さらに重要になると考えています。
AIを導入すれば会社が自動的に賢くなるわけではありません。
AIが会社について何も知らなければ、
「一般論に詳しいAI」でしかありません。
しかし、
経営方針。
組織情報。
業務マニュアル。
顧客情報。
営業活動。
会議記録。
KPI。
過去の資料。
こうした情報がデジタル化され、整理されていれば話が変わります。
AIが会社の情報を参照しながら、
「今月の営業状況は?」
「失注が増えている原因は?」
「対応が止まっている顧客は?」
「この会議内容からタスクを作って」
といった仕事を支援できるようになります。
つまり、
DXの土台を作ることは、そのままAI活用の土台を作ることでもある。
ということです。
SaaSを増やすことがDXではない
私たちはSaaSを否定しているわけではありません。
電子契約、会計、決済、専門的な業界システムなど、専用サービスを利用した方が圧倒的に合理的な領域はたくさんあります。
大切なのは、
「課題があるから、とりあえず新しいSaaSを入れる」
という発想から離れることです。
まず会社の事業基盤を作る。
GoogleでできることはGoogleでやる。
足りないところだけ開発する。
専門サービスが必要なところだけSaaSを使う。
そして、すべての情報ができるだけつながるように設計する。
DXとは、会社そのものをデジタル上に再設計すること
DXという言葉は、少し大げさに聞こえるかもしれません。
でも、中小企業に必要なのは、最先端のシステムを大量に導入することではないと思っています。
今の会社がどう動いているのかを整理する。
情報の置き場所を決める。
無駄な作業をなくす。
必要なところを自動化する。
データが自然に蓄積される状態を作る。
そして、そのデータをAIが活用できる状態にしていく。
その積み重ねです。
だから私たちは、
Googleを事業基盤に。
足りないところだけ、つくる。
という考え方でDXを進めます。
完成されたシステムを会社に押し込むのではなく、
会社の成長とともに育っていくデジタル基盤をつくる。
それが、これからの中小企業に必要な「組織OS」だと考えています。
